冬 gonna be 。
逢いたい
街に出ると幸せそうな恋人達で賑わっていた

恋人達の幸せそうな顔を見る度に彼女を失った悲しみに押し潰されそうになる

何故、もっと大事にしてやらなかった…

何故、あの時引き留めなかったのか…

もっと自分が大人になれていたならこの瞬間も一緒に手を繋いで歩けていた…

後悔だけが頭を過ぎる


それから男は何日も彼女を探し街に出た…

いつも手を繋いでいた…かじかむ左手を握りしめて…

初めて出逢った場所

初めて一緒に歩いた街

些細なことで喧嘩したカフェ

彼女が好きだった夜景

想いの募った場所に行く度にまた思い出が蘇る…

思い出に染まっていたのはあの部屋だけなんかじゃ無かった…


半無意識の内に凍えた体は帰りの駅のホームに着いていた…

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