Black Coffee.
言い逃げはズルいことだと思うけど
だけどきっとあのままあの場所に居ても
結局は彼を困らせてしまうから。
「 まぁ、まだ三日だもんね?
今度合コンでもしようか! 」
「 なんでそうなるの 」
「 恋愛でついた傷は恋愛で
癒すのが一番でしょ? 」
「 あたしは遠慮する 」
しばらくはこの胸の痛みを
大切にしていたい。
たまに過ぎる彼の幻影を、
まだ焼き付けていたい。
気持ちを引きずりながらも
あたしは常に前向きでいよう、と
あの日決めた。
「 じゃあ、また後でね 」
「 うん、じゃあ 」
講義の時間はなるべく紗希と
同じくらいの時間にして、
それからは図書館、喫茶店。
毎日同じコースだった。