Black Coffee.





言い逃げはズルいことだと思うけど
だけどきっとあのままあの場所に居ても
結局は彼を困らせてしまうから。





「 まぁ、まだ三日だもんね?
  今度合コンでもしようか! 」


「 なんでそうなるの 」


「 恋愛でついた傷は恋愛で
  癒すのが一番でしょ? 」


「 あたしは遠慮する 」





しばらくはこの胸の痛みを
大切にしていたい。





たまに過ぎる彼の幻影を、
まだ焼き付けていたい。
気持ちを引きずりながらも
あたしは常に前向きでいよう、と
あの日決めた。





「 じゃあ、また後でね 」


「 うん、じゃあ 」





講義の時間はなるべく紗希と
同じくらいの時間にして、
それからは図書館、喫茶店。
毎日同じコースだった。





< 157 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop