社長の溺愛・番外編



「わかってない…!」


「わかったって」


ぐずぐず言いながらもちゃんと落ちないように肩をつかんでいる彼女


毎度のことに抱き上げられることも慣れている


普段はなるべく翼の気持ちを優先しようと考えるが、今日ばかりはそうはいかない


久しびさの喧嘩だからな


おとなしくなった翼を抱きながら来た道を行き社長室へと入る


いると思ってた幸弘は気を使った姿を消していた


それはそれで都合がいいので、デスクには向かわずに翼がいつも座るソファーへと腰かける


抱き上げられてた彼女は必然的に俺の膝に座る


「こっち向いて翼」


「…………………」


ぎゅっと下唇を噛んで涙目で見つめられる


今すぐここで押し倒したいが、そんなことしたら仲直りどころじゃなくなってしまうので我慢する



「俺のためにこの服来てくれたのか…?」


「だって……亘さんが元気でるよって」



確かに元気はでたが……今すぐ押し倒したいくらいにな



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