[続]素敵すぎる恋愛・・・あなたの世界へ
俺は携帯を手にして、電話をかける。

もちろん愛美の実家だ。

「笠井ですが…」

「あら、久しぶりですね。どうしたんですか?
 なんだか、疲れているような声をしてますが…」

「あっ。いえ。あの、今日はそちらに愛美が行っていませんでしょうか?」

「来てないけど…何かあったのかしら?」

「いえ…携帯がつながらないので、心配になって電話をしました。
 すいません、では…」


電話に出たのは、愛美の母親だ。

実家には帰っていないということは…愛美はどこに行ったんだ?


俺は、わかる範囲で愛美の友人たちに電話をしたが、どこにも愛美はいなかった。


時田という女のことは勇人に任せた。

あいつに任せておけば、夜には分かるだろう。


俺は、愛美の指輪を見つめながら、ぼんやりとしていた。

もう空はまっくらになっていた。
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