雫-シズク-
僕に背中を向けてめんどくさそうに答えている。


「……それじゃ、行ってきます」


なんにも言わない葵さんを見たあと、僕は昨日と同じTシャツのまんま学校に向かった。




一人でぽつんと過ごす学校での時間はとっても長くて、帰るころにはぐったりするくらい疲れてしまう。


できることなら葵さんみたく休みたいくらいだ。


明日もまたつまらない学校に行かなきゃいけないと思うと、なんの病気かわからないけど葵さんみたく入院してしまいたい。


そんな重たい気持ちでいつも通りの時間に学園に戻ってくると、食堂で桜井さんと亮くんが座ってなにか話しているのが見えた。


亮くん、帰ってきてたんだ……。


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