雫-シズク-
そしてそのあと僕はなにもなかったようにいつも通り過ごした。


何人か包帯を巻く僕にどうしたのか聞いてきたけど、無視したらすぐに飽きて離れていった。


少しおどろいていた桜井さんも転んでケガをしたと話したらもうなにも言わなかった。


僕が普通にしているからきっとどうでもいいんだ。


お風呂に入った時に包帯がぬれてぐちゃぐちゃになったから、寝る前にずきずきする手をまた葵さんに巻きなおしてもらった。


でも寝る時間になってベットに入っても、手の痛みとは違う痛みでなかなか眠れない。


何回ももぞもぞ寝返りをうってどうにかしようとしたけど目を開けてもつぶってもまっくらで、なんとなく自殺という言葉を考えてしまう。


そんな自分を叱りたくていらいらした僕は、ため息ばかりもらして少し明るくなってきたころやっとうとうとし始めた。


< 97 / 347 >

この作品をシェア

pagetop