ライアーライフスタイル

あかりの言葉にギクッとした。

かつて淡い恋心をズタズタに切り裂かれたというのに、大人になってまで好きになってしまったら、“所詮私は山村に敵わない女なのだ”と証明しているようで認めたくない。

私は、山村を含む私をブスだと笑った奴等を下に見たくて頑張ってきた。

惚れたら負けだ。

「そんなことよりあかりこそ、拓馬くんとはどうなの?」

あかりは『話を逸らすな』と不満を漏らしたが、『何とか家族だけでの海外婚の方向に持っていけそうだ』と嬉しそうに語ってくれた。

無事に結婚できそうでよかった。

あかりのウェディングドレス姿を生で見たい気持ちもあるけれど、家族だけでということなら仕方がない。

写真をたくさん見せてもらうことにしよう。

ドレス、似合うだろうな。

私も一度くらい着てみたい。

けれど私は誰とも結婚するつもりがないから、一生縁がないだろう。


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