私の片想い事情 【完】
プールに向かおうと事務所の前を通ったとき、亜紀さんと隼人の話し声が聞こえてきた。
いつもなら気にもせずに通り過ぎるんだけど、隼人の機嫌の悪そうな声が響きつい足を止めてしまった。
「あ~イラつく!」
「どうしたの?みなみと喧嘩でもした?」
んん?私の話?
私の名前が聞こえ、更にドアに近づく。
立ち聞きなんてよくないのはわかっているんだけど……
隼人からの返答は返ってこない。かわりに大きなため息が聞こえてきた。
私は隼人に何かしたのだろうか?
昨日の自分の態度を思い返してみるも心当たりがない。
そんなことを逡巡していると、思いもかけないことを隼人が言い出した。