私の片想い事情 【完】

「ヤダ、かわいい!カズ君に負けないくらいキレイな顔しているのに全然タイプが違うのね」


亜紀さんは目を輝かせてあれこれ菅波君をからかい出す。


あぁ、亜紀さんのスウィッチが入ってしまった。


菅波君には悪いけど、ちょっと助かった。


今日の隼人の機嫌はすごく悪く、中々直りそうにない。


事務所を離れる口実ができてホッとしたのは事実。


隼人自身には関係ないことだけど、昨日の瀧川君とのキスのせいで、気まずくて性がない。


万年片思いのくせに、何だか心に残る罪悪感。


私は「着替えてきます」と亜紀さんに告げ、事務所からそっと離れた。



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