私の片想い事情 【完】

「何で?みなみさんお腹すいてないの?」

「いや、すいてるけど……」

「じゃぁ、行こうよ」

「そういう意味じゃなくて」

「あっ、みなみさん何か作ってくれる?俺、みなみさんの家でもいいよ?」


はぁ???


何を言い出すんだ?この子はっ!?


「みなみさん、西崎さんの家政婦してたくらいだから料理上手そうだよね」

「誰が家政婦よっ!」

「だって西崎さんが言ってたじゃない?」

「いや、それは隼人が勝手に……」


確かに、私はここ数年隼人の姉のように、そして母親のように、世話をやいてきた。隼人の両親が旅行で長期家を空けるときなんか、毎晩ご飯を作り、掃除・洗濯までしていた。


そうよ、私隼人の弟のパンツまで洗ってたんだからっ!


そう思うと、何だか無性に腹が立ってきた。


よく考えたら、私は隼人にすごく尽くしてきている。それはもう友達の域を超えていて、彼女でもしないこともしてあげてきた。


そりゃあ、自分が好きでしていたことだけど、勿論新妻気取りでエプロンしてノリノリだったけど、未来の弟になるかも、とか思って洗濯していたけどっ!


でも、それって私と隼人の関係を考えたら、すごく滑稽。


ホント、傍から見たら、家政婦か世話係よね。


私の気持ち、知ってるくせに……




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