私の片想い事情 【完】
躊躇う私をよそに、静香さんは一方的に旅行のスケジュールと、隼人の弟彰人君の学校の予定を伝えてくる。
どうやら、彰人君の部活の朝練が始まるらしく、お弁当を二つ用意して欲しいらしい。
と言うことは、また泊まりこみ?
私は、はぁぁぁと溜息をつく。
「静香さん、私今週はちょっと……」
何か断る理由がないか模索していると、それを言う前に「みなみちゃんしかいないの」とお願いされた。
「最近、隼人の機嫌も悪くて、飲んで朝帰りのことも多いのよ。あの子、二日酔いのときって、私のご飯食べないじゃない?」
それは、あなたが、二日酔いの隼人にカレーや丼物を出すから、と言いかけて、飲み込んだ。
彼女は彼女なりに一生懸命なのだ。
「ねぇ、みなみちゃんが頼りなの」
う……。私は彼女の「みなみちゃんが頼りなの」に弱い。
「隼人、生活も荒れてて、ひどいのよ」
「そう、なんですか」
静香さんの深刻な様子に私は少し驚いた。
隼人は、仕事先では普通にしていたから全然気づかなかった。
まぁ、私は週の半分を休んでいたし、余り話す機会がなかったけど。
「ちょっとだけでいいから様子見てきてくれない?」
「ね、お願い」と念押され、私はついわかりましたと返事をしてしまった。
頷いたは最後、静香さんは、鼻歌を歌わんばかりの機嫌の良さで「お土産楽しみにしてて~」と一方的に電話を切った。