私の片想い事情 【完】
「つ、疲れた」
寝起きのこの5分の電話で非常に疲れてしまった。
もう一度眠りに戻りたい気分だけど、静香さんが言っていた隼人のことがすごく気になり、私はベッドの中で考え込む。
隼人、どうしたんだろう?
機嫌が悪かったのは、私や瀧川君のせいじゃなくて、別に理由あったのかな?
静香さんに心配かける程のことって今までなかったと思う。
まぁ、心配したと言いながら、それでも旦那さんと旅行に行く人だけど。
いつもなら、喜んでお泊りの準備をして西崎家へすっ飛んで行っていた。
高校生の弟彰人君は、兄貴と似ても似つかないくらいかわいい。
そう、菅波君みたいな感じ。
静香さんに頼られることが嬉しくて、隼人と彰人君が仲良く私のご飯を食べてくれることが嬉しくて、いつも楽しみにしていた。
でも、昨日亜紀さんに言われたことが足枷となって、私の心に警告を鳴らす。
「それでも隼人が好き」そう言いながらも、「もう諦めたほうがいい」と囁くもう一人の自分。
私は悶々としながら、その後一時間、ベッドの中でぐずぐずと迷っていた。