私の片想い事情 【完】
別に隼人の腕は私を抱きしめているわけでもないし、そのまま起き上がればいいのに、衝撃の強さと熱い隼人の身体に、私はそのまま硬直してしまった。
時折かかる隼人の生温かい吐息が耳孔をかすめ、身体が揺れる。
「ふ……お前、相変わらず耳弱いのな?」
息をふぅと吹きかけられ、身体が反射的に仰け反り、その反動で私は見事にソファーから落ちてしまった。
「イッタ……」
打ったおしりの痛さと、ゾクゾクする感覚とで、そのままソファー横に蹲る。
そんな私に、隼人は「間抜け」とだけ言い捨て、上体を起こした。
「う、うるさい。わかっててやんないでよ、全くどいつもこいつも人の耳で遊んで……」
私は耳を押さえて隼人を睨むが、何が彼の不機嫌スウィッチを押したのかわからないけど、また隼人の顔が曇る。
「どいつも、こいつも?」
「―――え?」
隼人に問われている意味がわからず首をかしげると、隼人は、チッと舌打ちをして、顔を背けた。