私の片想い事情 【完】
ネギを切り、生姜をすり下ろしていると、「所帯じみてんな~」と笑われた。
だ、誰の為にやっていると思っているのよっ!
あんたがチューブの生姜嫌いだからでしょ!ソーメンにネギがないと食べないって言ったのは誰よっ!
と心の中で叫びながら、ネギと生姜くさい手で、ソーメンを盛り付けたザルと小鉢をドンと置いた。
「みなみって何でいつもソーメンまくの?」
くるくる巻いたソーメンを箸に一掴みし、隼人が聞いてくる。
その仕草が何だかかわいい。
「え?だって、見栄えもいいし、器に入れやすいでしょ?」
私は、実家のおばあちゃんがいつもしてくれていたせいか、ソーメンは一口分づつくるくる巻き、ザルに盛り付ける。
「みなみ、息子は持たない方がいいな」
「は?」
何でソーメンから息子の話に?と首をかしげると、隼人がケラケラ笑いながら答えた。
「お前、息子に、学校に行く前にハンカチをポケットサイズに畳んで渡してそう。息子はマザコン決定だな」
「はぁ?何を言い出すかと思えば……」
「世話焼きすぎ。まぁ、結婚することができて、息子を持てたらの話だけど」
私が結婚したいと思っている当の本人はそんなことをしれっと言ってくる。