私の片想い事情 【完】
「いったーーーい!」
気付けば視界に入ってくるのは、ローテブルの角。
ああ、私はソファから落ち、ローテーブルの角で足を打ったのだと理解するまで数秒。
そして、よだれまみれの口元に手をあてれば、やぱっりあれは夢だったと落胆した。
うう、情けない。
「みなみ何やってんの?」
床に這いつくばっている私を見下ろすように立っている隼人と目が合えば、呆れた顔をしている。
「あれ?隼人起きてたの?」
「みなみのいびきがうるさくて起きた」
「なっ、失礼な!私、いびきなんてかかないもの!」
「それにしてもすげぇ恰好」
へ?と自分を見下ろせば、Tシャツの肩はずり落ち、お腹の部分は捲り上がって隼人にけなされたお肉のついたお腹が丸見え。
情けないことにショートパンツまで下がっていて、パンツが見えていた。
ああ……穴があったら入りたい。
もっと色気のある姿ならいいけど、これじゃあ、まるで小学生の寝起き。
ずーんと落ち込んでいると、しゃがんだ隼人に口元をくいっと拭かれた。
「な、何?」
いきなり唇をさわられるものだから反射的に仰け反ると、皮肉った笑いで返された。
「お前、ヨダレ酷いぞ」