私の片想い事情 【完】
夢の中の私は、とても素直になれる。
「隼人、いっぱいキスして」
ドラマの中のような台詞を一度でいいから言ってみたかった。
夢の中の隼人は、私に優しく触れ、キスを繰り返す。
隼人の唇は、こめかみや目じり、鼻先へと降りていき、チュッというリップ音とともに私の唇に落とされる。
ああ、何て幸せな夢。
隼人は、キャンディーを舐めるようにペロペロと私を味わう。
猫みたい、と笑うと「キスの最中に笑うな」と鼻を噛まれた。
それでも、ふふふと笑っていると、急に隼人のキスが深くなった。
侵入してくる生暖かい感触。
それは、探るように、確かめるように、私の中を蹂躙する。
絡められる舌に、呼吸を持って行かれるような激しさに、頭がクラクラする。
思考能力の全てを奪うような激しさに、私は、夢の中で呼吸を乱しながら喘いでいた。
口元から零れる唾液。
荒くなる呼吸。
身体の中心がひどく熱い。
こんな経験あるはずないのに、この先を求めてしまう。
ああ、もっと……
隼人、あなたがもっと欲しい……
手を伸ばし、隼人に腕を回しそうになったとき、私は衝撃の痛みとともに目が覚めた。