私の片想い事情 【完】

手を繋ぎながら、「どこがいい?」と尋ねてくる瀧川君。


私の頭の中は、隼人が圧力鍋に作っておいたビーフシチューを焦がさずに温められただろうか、とそのことでいっぱいで、適当な返事を繰り返していた。


今日から3日間、彰人君は、部活の合宿でいない。


明日の朝には静香さんとパパさんは帰ってくるけど、今晩、隼人は一人だ。


隼人は一人のときは、絶対にご飯を食べない。


ああ、やっぱり帰った方がよかったかな?なんて考えていたら、繋がれた手にぎゅっと力が入った。


「みなみさん」


瀧川君に名前を呼ばれ、ハッとする。


「あっ、ごめん。何?」

「ご飯どこに行く?って聞いているのに」

「ご、ごめんね。どこでもいいよ」


瀧川君とのご飯をキャンセルして隼人の家に帰ろうとしていた自分を反省する。


これは大人としてしゃいけないことよね、うん、失礼だわ。





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