私の片想い事情 【完】
「デートしている時にぼんやり考え事するなんて失礼だよ」
瀧川君は少し拗ねたように呟く。
「へ?」
これって、一応デートなの?
「そう、デートだよ」
心の中を読んだように瀧川君は答える。
「みなみさん、心の中の声がまる聞こえ」
クスクス笑う瀧川君の肩が揺れる。
私の肩と頭ひとつ分違う瀧川君の肩をチラっと見上げ、ああ、この子は男の子なんだ、と改めて思った。
過剰なスキンシップに、好き攻撃。
女の子扱いもしてくれるし、こうして手も繋ぐ。
でも、それに対して、私が彼を男性として意識することはなく、何て言うんだろう、弟に懐かれている感覚だった。
そう、彰人君と同じ感覚。
だから、つい彼が自分のテリトリーの中に入ってくるのを許してしまう。
でも、今夜、それが瀧川君の優しさだった、と気付いた―――