私の片想い事情 【完】
広いリビングのソファで、いつ帰るかわからない人を待つのはすごく寂しい。
テレビをつけても何も頭の中に入ってこない。
本を手に取っても集中できない。
時計の針が1時を回ったころ、私は隼人を待つのを諦め、お風呂に入って寝ることにした。
人の家のお風呂だというのに、ここぞといわんばかりにたっぷりとお湯をはる。
隼人の家のお風呂は、3畳の広さがあるユニットバス。
バスタブも広く、ジャグジーまでついているから、私は隼人の家にいるときは、必ずお風呂に入る。
静香さんのバスグッズコレクションから、お気に入りのパーセフォニーのバスソルトを湯船の中に入れる。
ふわっと広がる甘いエレガントな香り。南国を思わせるその香りは、沈んだ私の心を落ち着かせてくれる。
日本では中々手に入らないこのアロマ系バスパウダーは、私の大のお気に入りで、静香さんは私の為にわざわざストックを置いておいてくれる。
甘いうっとりとするような香りに包まれ、私はバスタブに身を沈めた。