私の片想い事情 【完】
水面にゆらゆら揺れる身体。
私の心もゆらゆら揺れている。
隼人のことが大好きなのに、簡単に瀧川君に揺れてしまう。
口では否定の言葉を漏らすのに、身体も心も瀧川君に逃げている。
隼人から離れられないくせに、瀧川君の真っ直ぐな想いが心地よくて、自分を女として求めてくれることが嬉しくて、彼の優しさに甘えている。
報われない片想いが辛いから、心が弱っているから、
そんな風に理由付けても、結局私は瀧川君を利用している。
瀧川君のあの切ない表情が忘れられない。
私は、自分が隼人にされていることを瀧川君にしているんだ。
ああ!私って何様のつもり!?
どこぞのモテ女にでもなった気でいたのかもしれない。
鏡の前に座り、ずとーんと落ち込む。
情けない顔。全然かわいくないっ。
貧弱で色気のない身体。
そして狡くて卑屈な性格。
鏡に映るのは、みっともなくて卑怯な自分。