私の片想い事情 【完】
電気とエアコンを消そうとリビングに戻ると、いきなり現れた大きな影に、心臓が止まるくらい驚いた。
「ひゃあ……っ」
ドンとドアにもたれ掛るその大きな身体は、うめき声を上げ、ずるずるとそのまま滑り落ちる。
「は、隼人?」
おそるおそる名前を呼ぶけど返事がない。
「酔ってるの?ねぇ、隼人?」
「ん~」
薄ら目を開けるも、また瞼が落ちそうだ。
かなり酔っている様子の隼人は、全く動く気配がない。
「隼人、こんなところで寝ないで。せめてソファまでいってよ」
「無理」
あああ、もう!
お酒くさいし、タバコ臭い!
私は隼人の身体をずるずると引きずりながら、何とかソファまで運ぶ。