私の片想い事情 【完】
私、何やってんの?
せっかくパーセフォニーの香りに包まれて寝ようと思っていたのに、すでにアルコール臭とタバコの匂いが鼻につく。
隼人の靴下を脱がせて、ベルトを緩める。
「みなみのスケベ」なんて言いながらされるがままになっているコイツは夢の中にいるようだ。
こんの大馬鹿野郎!
私のしんみりとした切ない時間を返せ!
何が「みなみのスケベ」だ!
ハンドタオルを水にぬらし、ミネラルウォーターをグラスに注いで、隼人の傍に持っていった。
「隼人、水飲んで。明日ひどい二日酔いになるよ?」
「無理。みなみが飲ませて」
「バカな言ってないで起きなさい。ほら、グラス持っているから」
頭だけ起こして、口元にグラスを持っていってやる。
隼人はゴクゴクとすごい勢いでグラスの中身を飲み干し、そのままソファに頭を戻した。
「ねぇ、隼人、ここで寝る?上に行ける?」
「ん~」
「自分の部屋で寝た方がいいよ。肩貸すから行こう?」
「ふ~」
「ここで寝たら疲れ取れないし、明日が酷いよ?」
まともに返答できない隼人の顔にぴしゃと冷たいタオル投げつける。
そのまま顔から首筋を拭いてやると、少し呼吸が楽になった隼人は、クスクス笑った。