私の片想い事情 【完】
ああ、神様、やっぱり慣れないことをするとしっぺ返しが返ってくるのね。
これは瀧川君を利用して傷つけた罰?
「みなみ」
何も言えずに固まっている私を隼人は更に追い詰める。
「いいんじゃない?」
「えっ?」
「カズと付き合えば?合ってるよ、お前ら二人」
無表情でそんな酷いことを吐き出す隼人に、冷水を浴びせられたように私の思考は停止する。
「カズも結構本気みたいだしな?」
「何、言っている、の?」
ドクン、ドクン、と心臓の音がゆっくり大きく鳴る。
怖い……
どうしよう、どうしよう……
すぐ傍に座っているのに隼人がすごく遠くに感じる。
「わ、私が、好きなのは……」
とぎれとぎれに言葉を紡ぎだす私を、冷めた目で見下ろす隼人に、上手く言葉が出てこない。