私の片想い事情 【完】

「今回がチャンスよ?年下だけど、いい男が二人も明日から来るのよ。ちょっとは他に目を向けてみたら?」


何も答えずに黙り込む私に、亜紀さんは諭すように続けた。


「重く考えず、ちょっと興味を持つ程度でもいいじゃな?」


私はこめかみに手をあてて考える。


隼人以上にかっこいい?


隼人以上にかわいい?


笑うとキュンとくる?


「かっこよくても、ムリです」

「まだ会ってもないのに?」


亜紀さんは、呆れたよう苦笑する。


「想像できません。それに、そんなかっこいい子が私に興味持つとは思えないし、絶対に年上扱いしてもらえなさそう」

「アハハハ!そうかもね~」


亜紀さんは、確かにみなみは童顔だもんね、と豪快に笑った。

ふっといて、アハハハ~じゃねぇよっ!!と内心罵りながらも、隼人以外の男に話題ですら興味が持てない自分に苦笑した。


そうだ、そうやって6年が経ってしまったのだ----



< 24 / 480 >

この作品をシェア

pagetop