私の片想い事情 【完】
いつも酔いつぶれたときのように、隼人に水を飲ませ、冷たいタオルで顔や首筋を拭いてやる。
意識のない隼人はどこか苦しそうにもがくけど、そのまま眠りに落ちていった。
私は、隼人が起きたときに隼人が逃げ出さないように、タオルで私と隼人の腕をがんがんにしばり、隼人の隣で一晩を過ごした。
隼人と私が同じベッドで寝たのは、この時が最初で最後。
その時の私には、体面とか羞恥とかそんなことはどうでもよかった。ただ、隼人を捕まえておきたかった。
朝起きた隼人は、勿論すごく不機嫌で。タオルを解けと私に迫ったけど、私は、腕を切り落とされても離さないとタンカを切った。
そして、ありったけの力で隼人を抱きしめた。
離せと暴れる隼人の頭をかき抱き、泣きながら隼人を抱きしめ続けた。
「家に帰らず、酔いつぶれて、女あさって、何やってんのよ!」
そう怒鳴る私に隼人は冷静に答える。
「みなみに関係ない。俺がどこにいようが、酔いつぶれようが、セックスしようが俺の勝手だろ?」
全てを拒絶するような隼人の態度に、私の感情も追いついていけず、ただ泣くしかなかった。