私の片想い事情 【完】
「ふふ、瀧川君にも苦手なことがあったんだ?何だか安心」
「みなみさん、俺だって生身の人間ですよ?苦手なものも、不得意なものもいっぱいあります」
「だって、瀧川君って見るからに何でもできて、完璧じゃない?もう、羨ましいよ」
私が口を尖らせてそう言うと、彼は少し困った顔をして笑った。
「でも、みなみさんは俺じゃダメなんですよね?」
「……っ……」
「ああ、そんな顔しないでよ。言ったでしょ?西崎さんが好きでもいいって。俺をゆっくり見てくれればいいって。今のは、俺が悪いです。すみません」
また元の笑顔になり爽やかに笑う瀧川君に何も言えなくなる。
でも、私は、はっきり伝えなきゃ。
「瀧川君、あのね、私―――」
「みなみさん、それ以上言わないでよ。この間の態度で、みなみさんが今言いたいこと、何となくわかるから。俺はそれでもいいって言っているんだよ?」
「だって……」
「どうしてそう白黒つけたがるの?人の気持ちなんて、明日になったらどうなっているかわからないよ。グレーでいいじゃん?」
瀧川君は、そう言って、私の手を取る。