私の片想い事情 【完】
そして、とうとう鬼マネ監視の下、高学年コースが始まった。
さすがに、瀧川君も水着に着替えたマネージャーがプールサイドに立つと、緊張した面持ちで直立不動だ。
そうだよね。他のコーチたちさえも、カチンコチンなんだもん。
「瀧川、久しぶりに一緒に泳ぐか?」
何となく、マネージャーから距離を取っていた瀧川君に、マネージャーが絡む。
マネージャーの今日の標的は瀧川君のよう。
いつもは、私をからかって、弄って、ひどいんだけど、今日はマネージャーの注意は、私から逸れているみたい。
私は、瀧川君に悪いと思いながらも、内心ホッとした。
「タイムレースしようぜ?」
「いえ、俺は遠慮しておきます」
絡むマネージャーから嫌そうな顔で、逃げる瀧川君。
何だか、この構図面白いかも。
「逃げるなよ。もう膝は大丈夫なんだろう?今は変わらず泳げるんだろ?」
「―――はい」
マネージャーのその言葉に、私は、えっ?と顔を上げる。
膝?怪我していたということ?
私は、何も考えずに疑問に思ったままのことを尋ねた。