私の片想い事情 【完】
「そうよねぇ、隼人には必要だもの、無性の愛を与えてくれるお・か・あ・さ・ん・が!」
「……ぅ……」
「そりゃあ、母親とはキスもセックスもしなわよねぇ。変なこと聞いてごめんね、みなみ」
「あ、亜紀さんの意地悪……」
項垂れながらボソと呟くと、冷気たっぷりの声で、だまれ、とすごまれた。
「朝の5時に叩き起こされて、泣きわめくあんたの話を聞いて世話してあげたのよ?それが、以前と進展なしですって?ますますバカに磨きがかかりましたなんて言われたら、意地悪の一つも言いたくなるわ」
亜紀さんは、取りつく島もないくらいバッサリ切り捨てる。
うううう。
バカに磨きがかかりましたなんて言ってないし、意地悪も一つどころか、拷問のような責め苦を浴びせられ続けてますが?
そう反論したいけど、これ以上空手チョップもデコピンも、女王様の責め苦も耐えられそうにないので、私は素直にごめんなさいと頭を下げた。
亜紀さんは、項垂れる私の前にすくっと立ち上がったかと思うと、私の顎を掴み、顔を上げさせた。
「よーく聞きなさい、おバカさん。腹をくくっているなら、もう人に迷惑をかけないことね。あのどーしよーもないヘタレ男をその背におぶる気なら、自分の脚だけでしっかり立ちなさい。つぶれたら、骨くらいは拾ってあげるわ」
フルメイクの極上美女に数センチの距離で、それはそれは魅惑的に微笑まれ、私はつい、はい、女王様と返事をしていた。