私の片想い事情 【完】
手にした携帯を真新しいリビングのフローリングに叩きつけた瞬間、私はパチっと目を開けた。
一気に汗が噴き出す。
固いベンチの背もたれに、ぐっしょり汗がしみこんだTシャツがはりつく。
今のは……夢?
ちょっと瞼を閉じた瞬間に、私は眠りに落ちていたようだ。
それにしても洒落になんない。
亜紀さんがあんなこと言うから、こんなひどい夢を見てしまったんだ、と亜紀さんを恨んだ。
はっと携帯を見れば、10分も経っていなかった。
はぁぁぁ、と深く溜息を吐いて、私は膝を抱えるように小さくなった。
虚しい、悲しい、寂しい、色々な想いが葛藤する。
本当に私って、成長しないなぁ。
ちょっとのことで揺らいでしまう心。
今朝のあの意気込みはどこに行ったの?と自分の肩を揺さぶりたくなった。
「隼人に会いたい……」
つい零れてしまった心の声。
声にして言ってしまえば、想いはますます募るばかり。
声だけでも、と私は無意識に携帯に手を伸ばしていた。