私の片想い事情 【完】
通話履歴から隼人の番号を押そうとした、その瞬間、静寂な中に着信音が響きわたった。
液晶画面には、隼人の極上スマイルの写真が光る。
「も、もしもし!」
私は反射的に電話に出ていた。
余りにも勢いよく出てしまい、今度は別の汗が額を伝う。
「みなみ?どうしたんだ、そんなに興奮して」
「あっ、ううん。何でもない」
恥ずかしくなって、私は、電話が落ちそうになって、と誤魔化した。
「みなみ仕事終わった?」
「うん」
「今どこ?家?」
「バス停でバスを待ってる」
大好きな隼人の声が鼓膜にリフレインされる。
他愛もない会話が嬉しい。
「どうしたの?何か用事があった?」
「ああ、みなみの荷物がまだ家にあるけど、どうする?」
「あっ……そうだったね」