私の片想い事情 【完】

私は大きくため息をついて鏡に映った自分を見た。


化粧もしていないせいか童顔が際立つ。


肩まで伸ばした髪をポニーテールにすると高校生にしか見えない。


いや、イマドキの高校生に怒られる。高校生をなめてはいけない、彼女たちの方がまだ色気がある。


いくらイケメン大学生が来ようと、私がというより、まず彼らが私に興味を持つとは思えない。


ホント言ってて悲しくなるけどね。


長年水泳をしていると、いかり肩になったり肩幅の広い人が多いけど、もともとなで肩で太りにくい体質の私は、肩が細く、貧弱に見える。


そしてこの胸……


ごめんないさい。本当にごめんなさい。寄せて上げる肉もないAカップでごめんなさい。


幼児体系っていうのがピッタリな私。


溜息をつき、いつもの色気のない膝上まであるレギーVタイプの水着(隼人いわく、男を3秒で萎えさせる)に着替え、私は事務所へ向かった。



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