私の片想い事情 【完】

「亜紀さん、最近お弁当が多いですね?また彼氏さんですか?」

「ああ、竜也がね、心配して作るのよ。私もみなみと一緒で、夜はくたくたになって食べる気がしないから、朝とお昼だけでもって竜也が作ってくれるの」


何て素敵な彼氏さんだろう?


亜紀さんの家の冷蔵庫に食材が豊富だったのは、亜紀さんが料理するからではなく、彼氏さんが亜紀さんの為にストックしてあったのだと知った。


そうだよね、この人が料理するなんて考えられない。


ビールすら私に運ばせていた方だもの。


「亜紀さんは食べないんですか?」

「私、今日半休もらっているのよ。美容院予約したから帰らせてもらわ。美容院の定休日の月曜日しか休みがないって最悪だわ」


完璧にきまっている髪をかきあげながら、亜紀さんは微笑む。


どこに美容院に行く必要があるのかとまじまじと見ていると、チロっとこちらに視線を移した亜紀さんに思いっきり溜息を吐かれた。




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