私の片想い事情 【完】
「みなみ、どうしたの?」
急に黙り込んだ私に、亜紀さんは髪を弄っていた手を止める。
「亜紀さん、私、今とても大事なことに気付きました」
ボソッと呟く私に、亜紀さんは怪訝そうに、何?と尋ねてくる。
「女としての努力を怠ってきた私が、隼人に女として見て欲しいなんて、おこがましいですよね?勝手に気持ちを押しつけて、傍にいたいってだだこねて……隼人が困るのも何だか頷けます」
「みなみ?もしもし?」
「亜紀さん、今更女子力って上がらないし、ない胸も増えない。髪も傷んでばさばさだし、私、どーしたらいいんでしょう?」
真剣に相談する私に、美の鉄人、亜紀さんはちょっと引き気味だ。
「ねぇ、みなみ。隼人はそんなことみなみに求めてないんじゃないかしら?まあ、今日のあんたは本当にみすぼらしかったから手を加えたけど、自然体のみなみのままでいいんじゃない?」
「亜紀さん?」
「何?」
「おっしゃる意味がわかりません」
亜紀さんの言葉に、私の頭の中はクエスチョンマークが飛び交っている。
そもそも隼人とのことを反対していた亜紀さん。私のことを隼人の母親決定とまで判を押した亜紀さんがどうしてそんな慰め言葉を言うのか理解できなかった。
そう伝えると、バカな子ほどかわいいって言うけど、私にはイラっとくるわ、と頭を叩かれた。
「だって、私どーしたらいいんでしょう?」
何故亜紀さんが呆れているのかも、亜紀さんの言葉の意味も分からず、混乱しっぱなしだ。
助けを求めるように亜紀さんに縋れば、ない脳みそで考えなさい、と怒られた。