私の片想い事情 【完】
「何、その顔。確信犯?」
「へ?何が?」
「いえ、分からないなら別にいいです。どうしたんですか、いきなりグロスなんてつけて?」
「た、瀧川君、目ざといのね?亜紀さんが、今日の私があまりにもみすぼらしかったからって、色々手を加えてくれて」
「へ~。いいんじゃないです?すごく似合ってますよ」
「そ、そお?」
美少年の瀧川君に褒められ、ちょっと良い気分になる私。
髪や眉毛もしてくれたの、とついベラベラとしゃべってしまった。
「ピンクのグロスもいいけど、今度オレンジとかも試してみれば?みなみさん、色白いから似合うよ。その場合は、髪は横に一つに流した方が色っぽいかな?目元にシャイニーなアイシャドウつけてさ」
腕を組んで考えるようにぶつぶついう瀧川君。
「た、瀧川君、詳しいのね?」
私以上に女子力が高いんじゃないだろうか?
「兄貴の奥さんたちにに、遊ばせて~って時々化粧されることが多くて。いつの間にか詳しくなりました」
「そうなの?奥さんたちって、瀧川君お兄さん何人いるの?」
「うちは4人兄弟で、俺は三番目です」
ああ、と何となく納得してしまった。
甘え上手なところも、世渡り上手なところも、上にお兄ちゃんがいるからなんだな、と。
しっかりしていて、どことなく冷めている感じがするのは、上と下に挟まれた三番目の宿命なんだろうか。