私の片想い事情 【完】
「ねぇ、みなみちゃん、久しぶりに耳かきしてくれる?」
「え?耳かき?」
やっと笑いが治まった彰人君からの、全く脈絡のないお願いに目がパチクリとなる。
「うん、昔よくしてくれたじゃん?」
「うん、してたね。静香さんのは怖いって私に泣きついてきた彰人君、かわいかったなー」
「もう、昔の話はいいから!これからはしてもらえそうにないしなー、これが最後かな?」
どうして最後になるのかわからなくて首をかしげる私に、彰人君は苦笑する。
「ねぇ、私耳かき得意だし、いつでもるするよ?」
「本当に何も分かってないんだね、みなみちゃん」
まだきょとんとする私に彰人君は、呆れたように溜息をついた。
じゃあ、お願い、と言って、彰人君は大きな身体を移動させ、私の膝に頭を乗せる。
ショートパンツだから、直接肌の上に頭を置かれ、髪があたってくすぐったい。
「彰人君、タオル一枚置いていい?」
「何で?」
「髪がくすぐったい」
「えー。みなみちゃんの太もも気持ちいいのに」
「汗ばむよ?」
「この感触がいいの」
そう言って彰人君が太ももにすり寄るように頬をあてたとき、地を這うような不機嫌な声が急に降ってきた。