私の片想い事情 【完】
「彰人、てめーふざけんなよ?」
開いたままの襖の横に立っていたのは、紛れもなく、私が今日一日会いたいと願っていた隼人だった。
突然の隼人の登場に、心構えをしてなかった私の心臓がばっくんばっくん暴れ出す。
彰人君は、私の膝に頭を乗せたまま、あーあ、と呟いている。
「は、隼人。お、おかえり」
声が裏返って、さらにどもってしまう私。
「みなみ、何やってんだよ?」
「へ?な、何って、彰人君の耳かきをしようかと……」
私の答えに、隼人の機嫌が更に悪くなる。
「そーだよ、兄貴、邪魔しないでよ」
彰人君は私の膝の上に頭を乗せたまま、クスクス笑っている。
「彰人君、笑わないでよ。くすぐったい」
膝にかかる彰人君の髪をよけるように梳いていると、隼人がずかずかと部屋に入ってきて、彰人君の頭を思いっきり蹴った。
「隼人!何するの!?」
「もーいったいなー」
隼人は、頭を抱えて転がる彰人君に更にもう一蹴り入れると、私の腕を引きよせて彰人君から離した。