私の片想い事情 【完】
「隼人、何でそんなことするのよ!彰人君かわいそうじゃない!」
隼人の腕の中でジタバタもがいていると、彰人君がむくっと起き上がり、いきなりお腹を抱えて笑い出した。
「あ、彰人君?」
今日の彰人君は、一段と笑い上戸だなぁ、とポカンとしていると、目に涙をためて笑う彰人君がチラッと隼人に視線を送り、またケラケラ笑った。
「あー笑える。ごめん、ごめん、兄貴。無事な顔を見たらついみなみちゃんに甘えたくなってさー」
笑うな、とまた蹴られても彰人君はまだ笑っている。
「でも、兄貴も苦労するね?ご愁傷様」
「っるっせーよ……みなみの鈍感さはもう諦めている」
「本当に、筋金入りだね?」
この兄弟は、私を挟んで、訳の分からないことで納得し合っている。
何だかバカにされているようで、私は腑に落ちない。
「ねぇ、分かるように説明して?」
彰人君は、兄貴に聞いて、とだけ言い残して、隼人に追い出されるように部屋を出て行った。