私の片想い事情 【完】
いつものようにたっぷりお湯をはり、パーセフォニーのバスソルトを入れる。
お気に入りの匂いに包まれ、単純な私は一気に機嫌が良くなる。
ゆっくりバスタブに身を沈め、浮ついた心を少し落ち着かせた。
よくよく考えると、今夜は静香さんもパパさんも彰人君もいる。
いつも泊まり込んでいたときのように、静香さんとパパさんが不在なわけではない。
そんな状況下で、いくら隼人でも、コトを始める訳がない!
舞い上がって一人ピンク妄想していた自分が、急に恥ずかしくなった。
これだから、経験値ゼロの女は……と自分の頭をポカスカ叩いた。
隼人が私の部屋に来たからと言って、そーいうことを求めていたって思うことが安直だった。
確に、隼人は誰構わずヤルやつだったけど、それこそ、過去の女性遍歴もよーく知ってますから、女性の股を割るのは大得意なのも知ってる。
でも、隼人が私に欲情するなんて、よっぽど良い雰囲気にならない限りないような気がしてきて、ますます一人で舞い上がっていた自分が恥ずかしくなる。
あの夜も隼人は酔っていたし、私に欲情したというより、怒りに任せてって感じだった。
隼人がアパートに来た夜だって、結局私は寝オチで、何もされずにベッドに運ばれていた。
「あーあ、胸の肉と色気、一晩でつかないかなー」
叶えられることのない願望が、バスルームに虚しく響く。