私の片想い事情 【完】
しーんと静まり返るキッチンに、私のペタペタというスリッパの音だけが響く。
西崎家の皆さんは就寝時間が早い。
美容を気にする静香さんは、11時前にはベッドに入るし、テレビを観たいパパさんは、強制的に理静香さんに合わせられる。
部活の朝練がある彰人君は、更に早く寝る。
さっきまで賑やかだったのに、何だか一人残されて寂しい。
窓から差し込む月の明かりを頼りに、グラスを探す。
いつものようにミネラルウォーターを取り出し、一気に喉へと流し込んだ。
「ぷっはーーーーー」
一人しかいないと思うと、風呂上りにビールを飲む親父みたいな声を出してしまう。
身体中に水分がいきわたり、お風呂に入ったおかげもあると思うけど、今朝退院してきたときより、身体が軽くなった気がした。
寝すぎで、身体中が痛かったけど、そのコリも取れたようだし。
今日一日中静香さんにスタミナ料理を食べさせられていたので、栄養補給も完璧だ。
うーん、と身体を伸ばし、ストレッチする。
うん、明日から仕事行けるんじゃない?