私の片想い事情 【完】
「は、隼人!」
背後に立っていたのは、寝たと思っていた隼人で、冷蔵庫の前にぼけーと立つ私に呆れた視線を寄越していた。
「みなみ、何やってんの、こんな時間に?」
「へ?ああ、お風呂入って、逆上せちゃったから……」
そこまで言いかけて、私は自分がバスタオル一枚なことに気付く。
「キャアァァ……」
「ばっ、大きな声だすなよっ」
隼人は焦ったように私の口元を覆い、黙らせる。
うぎゃぁぁぁ……っ
隼人との距離が一気に近づき、また悲鳴を上げそうになった。
「勘弁してよ、みなみ。静香さんが起きてきたらどーすんの?」
一人慌てている私とは裏腹に、とっても冷静な隼人。
窓から漏れる月の明かりだけでもわかる、端整な綺麗な顔。
真っ赤になって、ちんちくりんに焦っている自分と正反対。
そーよね、ヤツは女のバスタオル一枚姿どころか裸すらも見慣れている。
女といるときなんて服着ているより裸でいるときの割合の方が多いんじゃないかしら?
そう思うと、焦っていた自分がバカみたいに思え、私は今のこの状況を気にしないことにした。