私の片想い事情 【完】
「俺、すんげー我慢してんだけど、そこのところ、分かっている?」
「が、我慢って?」
隼人の熱い吐息が顔にかかり、顔中に熱を持つ。
心臓が止まったり、大きく鳴ったり、もう不整脈を通りこして、仮死状態と蘇生を繰り返しているよう。
我慢しているって、もしかして……と思っていると、オブラートに言葉を包めない隼人がげんなりした様子で口を開く。
「セックスだよ、セックス!俺、みなみとやりたいのめちゃくちゃ我慢しているんだけど?」
隼人君……
物にも言いようがあるでしょう?
みなみを抱きたいんだ、とか、みなみの初めてが欲しい、とか。
そんな、ロマンス小説の中の台詞をこのデリカシーのない男の口から聞いたら、それはそれで胃が飛び出してきそうだけど。
でも、せめて、エッチって言ってよ。
セックスなんて生生しいことば使わないでっ!
隼人のこのストレートな表現に、呆れて、恥ずかしくて、何も言えないままじっと見つめていると、もー無理、と隼人は零し、僅か5センチの距離を0センチに縮めてきた。