私の片想い事情 【完】
「みなみ、本当に嫌なら今のうちに俺を押しのけて部屋に戻れ。今ならまだ間に合う」
「―――えっ?」
余りにも意外な隼人の言葉に、私は唖然とする。
「すんげーみなみに触れたい。好きな女を抱くのは初めてなんだ。だから大切にしたいと思っている。みなみの心の準備ができていないなら、俺はめちゃくちゃ辛いけど、蛇の生殺しだけど、百歩譲って我慢してやる」
「隼人……」
思ってもいない隼人の言葉に、涙腺が一気に崩壊する。
ズルイよ……
こんな時に不意打ちで欲しい言葉をくれるなんて。
バカ隼人!
こういうときほど、勢いに任せて、ガバーっといっちゃってよ!
「みなみ?」
隼人は、泣きだす私をそっと抱きしめ、溢れる涙を唇で拭う。
「バ、バカ隼人。そんなこと聞かないでよ……私は、隼人としか考えてないんだからっ!」
まだ溢れてくる涙とともに睨むと、とても嬉しそうな隼人の顔が降りてきて、優しいキスを顔中に繰り返された。
「もー止めないからな?みなみがやめてって言っても、抜けって言っても絶対に止めないから」
どこか引っかかる言葉を残し、隼人は私たちの間にあった二つのクッションをポイっと取り払い、私をソファーに押し倒した。