私の片想い事情 【完】

隼人がじっと私を見つめる。


長いまつ毛に縁どられたその切れ長の瞳。


この瞳の中に映るのは私だけ。


ずっと夢見てた。


こうやって抱きしめられることを。


が―――


10秒、20秒と経過しても隼人は、何もしてこない。


そして、何も言わない。


体重をかけないようにして、私の上に覆いかぶさるだけ。


こういう経験がほぼ皆無な私は、どーすればいいのかわからない。


「は、隼人?」


あまりにも沈黙が長いので、耐えられずつい名前を呼んでしまう。


「―――何?」


はらりと落ちる前髪の間から見える、そのけだるそうな表情が、何ともいえないほど色っぽくて、真っ赤、真っ裸で硬直している自分がひどく間抜けに感じた。


「あの、その、しない、の?」


つい口にしてしまい、一気に顔が火照る。


ああ、もう!自分で何を言ってんのよーーーっ!?


と心の中で突っ込みながらも、何も言わない、してこない隼人に少し不安になる。




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