私の片想い事情 【完】

あの夜に、身体は見られたけど、弄られもしたけど、Tシャツをまくり上げられただけだったし、全裸を披露するのは初めてだ。


余りにも色気のなさに、萎えた、とか?


だって、隼人の今までの彼女ってスタイル抜群でお色気むんむんだったもの。


「な、萎えた、とか?あのね、今夜無理なら、いいの……」

「はぁ?」


隼人の眉毛がぴくんと上がり、怒気を孕んだその声に、言わなくていいことまで言ってしまったらしいと後悔する。


「ご、ごめんね。ち、ちがうの。こんな身体……胸ないし、色気ないし、私、何もわかんないし……やる気失せたのかと……」


不安に駆られ、どうしていいか分からない私は、涙目になりながらしどろもどろに言葉をつなげる。


沈黙がいたたまれなくて、なんだか空しくて。


は、恥ずかしくて死にそう!


隼人の顔を見ることができなくて、ぎゅっと唇を噛んで顔をそむける。


隼人は、大きくため息をついたかと思うと、両手で私の顔をはさみ、唇に軽くキスを落とす。


「唇を噛むな。キスできないだろう?」

「し、したじゃない、今!」

「こんなんキスかよ。舌入れられないだろ?」

「……っ……そ、そんなこと言わないでよっ!」


は、隼人って何でこんなにエロいの?


顔だけでなく、全身真っ赤になっているに違いない私は、月の光すらも全てシャットアウトして欲しい、と胸の前で手をぎゅっと握る。


もう、間抜けな顔も身体も全て隠したい。



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