私の片想い事情 【完】
「色恋に疎いみなみに気を使っていたのに。アパートで何もしてこなかっただと?人にしがみつきながら先に寝たのは誰だ?」
「……ぅ……私です……」
「寝ているみなみにぶち込みそうになりながらも、鉄の意志で我慢した俺を褒めろよ」
何をぶち込もうとしていたのかなー?何て聞けそうにない雰囲気の隼人に、はい、偉いでです、としか言えない私。
「人が我慢しているのに、みなみはカズやマネージャーにベタベタ触らせてるし……」
「べ、別に触らせていたわけじゃなくて向こうが勝手に……」
しどろもどろに言い訳する私に、ムカつく、と隼人はキスを落とす。
そんな隼人が何だか急に可愛く思えた。
一つ一つが線で繋がっていく。
亜紀さんが言った、『近すぎる』私たちの関係が、色々なものを見えなくしていた。
言葉足らずなで、自分勝手で俺様な隼人は、私が何も言わなくても分かっていると思っていた。
私は私で、今更隼人が私を女として扱ってくれるなんて思ってもみなかった。
お互いに分かり合っていると思っていたことが、大きな誤解を生み、気遣っていたことが、相手を傷つけていた。
「みなみが、プールで意識なく浮かんでいたのを見た瞬間、俺がどんな思いでいたかわかるか?24時間目を覚まさないお前に、不安で仕方なかった……」
ぎゅっと縋りつくように抱きしめてくる隼人の身体が少し震えている。
「最後にひどいことしか言わなかった自分にすごく後悔して、みなみの目が覚めたときは、絶対に離すもんかって思ったんだ」
「隼人……」
「こんなもんじゃ、足りねぇよ……もっとみなみが欲しい」
そんな恥ずかしい台詞を真顔で言われるものだから、私は一気に全身茹蛸状態になる。