私の片想い事情 【完】
「あのね、今日、みなみちゃんのお母様がご挨拶に来るんだけど、お寿司でも取ろうかしら?」
嫌な予感とは当たるもの。
一気に血の気が引くのがわかる。
「あ、あの、どーしてうちの母が挨拶に来るんですか?」
恐る恐る尋ねると、静香さんは、その綺麗な顔を綻ばせてとんでもないことを言い出した。
「だって、みなみちゃん、これからここに住むわけでしょ?ご両親にきちんと挨拶しておかないと、と思って昨日お電話したら、お母様の方からこちらに来ますって気を使っていただいて……」
えーと、どこからどう、突っ込んでいいのでしょうか?
私は、こめかみに手を置く。
「一緒に住むんですか?」
とりあえず、そこからはっきりさせよう。
たしか、私の記憶では、体調が良くなるまでだったはず。
「そうよ。もうみなみちゃんは、私たちの家族同然だし、やっと隼人が重い腰を上げてくれたんだもの。みなみちゃんに逃げられる前に、しっかり確保しておかないと!そ・れ・に、お預かりした人様のお嬢さんに手を出してしまったんだもの、ちゃんと責任を取らないとね♪」
ポカンと開けた口が塞がらない。
パクパクさせながら隼人に助けを求めると、諦めろ、と思いっきり不機嫌そうな顔で言われた。