私の片想い事情 【完】
「隼人だって、みなみちゃんを一人にさせておくのは心配みたいだし、みなみちゃんだって、隼人と一緒にいたいでしょ?」
「あの、えっとですね、静香さん?」
なぁに?と迫力満点の笑顔で返され、言葉に詰まってしまう。
「母は、何と言っていたんですか?」
「あら、大喜びだったわよ」
電話口で興奮している母の姿が目に浮かぶ。
どーせ、24時間目を覚まさなかった娘のことなんてすっかり忘れていたに違いない。
ああ、神様、これは喜ぶべきことなんでしょーか?
余りにも早い展開に、私の脳みそがついていかない。
冷や汗たらたら、無い脳みそでうだうだ考えていると、隼人が新聞を無造作に投げ捨て、苛ついたような視線をこちらに寄越してくる。
「な、何?」
静香さんの一方的な行動に苛ついているのかと思ったら、真面目な顔で予想もしないことを言われた
「みなみは、俺と一緒にいたくないわけ?」
「―――え?」
「俺は、みなみをあのアパートに一人にさせたくない。また倒れられたら心配だし、それに、お前、カギかけねーし」
かけてるよ、と反論しそうになり、いやいや、論点はそこじゃない、と自分に言い聞かせる。
「隼人は、私と一緒にいたい、の?」
期待を込めて見つめると、隼人の頬が少し赤くなる。
いつものように、バーカ、とからかわれるかと思ったけど、隼人は私をじっと見つめて、一緒にいたいに決まっているだろ?と笑った。