私の片想い事情 【完】
そして―――
西崎家に強制的に連れて来られてから、あっという間に一週間が過ぎた。
マネージャーからしっかり休むようにと脅されたので仕事は休んでいたけど、仕事をしていた方が気が楽だったかもしれない。
親が挨拶に来たり、強制的にプチ引っ越しをさせられたりと、怒涛のように過ぎた一週間だった。
静香さんとうちの親のはしゃぎようはすごく、娘のお見舞いなんて言いながら、ほぼ毎日顔を出す我が母にもうんざりで、精神的に参ってしまいそうになった。
夜は夜で、ゆっくり休みたいところだけど、隼人は宣言した通り、私を離してくれなかった。
我慢していたという男の生理現象を、身を持って教え込まれた私は、毎朝ヘロヘロになって起きる。
昨日、病院で検査を受けたとき、血圧が上がっていて大嫌いな注射を打たれたけど、絶対に夏バテのせいじゃないっ、と誰にも言えない恨み言を病院の壁にぶつけていた。
あの綺麗な顔の先生に、絶対にバレたであろう、無数のキスマークの痕。
今思い出しても顔から火が出そうなくらい恥ずかしい。
本当は、病院なんて行きたくなかったけど、労災の関係とかで、検査を受けなくてはいけないらしく、首元ぎりぎりまで隠れるTシャツを着て行った。
そして、今もTシャツの下にたっぷり残っている赤い痕が見えないかひやひやしながら、病院での検査結果を持って、事務所のドアを叩く。