私の片想い事情 【完】
次の日、出勤すると瀧川君がすでに着替えて事務所で私を待っていた。
そのお隣には、お約束のように亜紀お姉サマ。
美男美女ってまさしくこういうのを言うんだろうなぁと思う。
いや、この場合は、美人マダムに買われた美少年の図?
どっちにしろ、見目が麗しいのは変わりない。
「おはようございます」
「おはよ、みなみ。カズ君ったら30分も早く来て生徒のファイル見てたのよ~」
「…………。」
カズ君……とはもしかしなくても瀧川君のことだろう。
おぇっ、死んでも言えない。
「へぇ、偉いね~」
私は顔を引き攣らせながら感情のない声で返す。