私の片想い事情 【完】

「瀧川君、今日からプールサイドに来てください。練習に出てもらいます」


私はイラッとくる感情を抑え努めて先輩らしく振舞った。


そう先輩らしく……


実は私は後輩というものを持ったことがない。


同期の隼人にはいいようにコキ使われているし、今までアルバイトの子がいても年上扱いされたことがない。


ずっとペーペーでいたから、こんな有難くないヤツの前でも先輩風をちょっと吹かしてみたい。


「いいんですか?まだ生徒のファイル全部に目通してないんですけど?」

「大丈夫よ、カズ君飲み込み早いから」


何故か亜紀さんが嬉しそうに笑っている。


もしかして、瀧川君の水しぶきが弾けるピチピチの肌が早く見たくて手伝ってる?



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